空き家の電気・水道・ガスは止めるか残すか|手続きと判断の表

掲載データの確認日 2026/10/28

47都道府県を同じ条件でそろえています

空き家になったら、電気・水道・ガスの契約をどうするか決めます。止めると基本料金はかからなくなりますが、換気や通水ができなくなります。残す・止めるの判断と、手続きをまとめました。

判断の表

ライフライン 残すとよい場面 止めてよい場面
電気 換気扇・照明・防犯機器を使う。見回りで掃除機を使う 当分だれも行かない。漏電が心配
水道 通水で排水口の臭いや虫を防ぐ。掃除に使う 寒冷地で凍結の心配がある(水抜きをする)
ガス 当面使う予定がある 住む予定がない。安全のため閉栓が基本

止める・名義を変える手続き

ライフライン 連絡先 用意するもの
電気 契約している電力会社 お客さま番号(検針票・明細)
水道 市区町村の水道局・水道事業者 水道番号、閉栓か名義変更か
ガス ガス会社(都市ガス・LPガス) 閉栓には立ち会いが要る場合がある

契約者が亡くなっている場合は、名義の変更か解約を伝えます。

3,000万円控除を使うなら

相続した空き家の3,000万円控除を使うには、市区町村の被相続人居住用家屋等確認書が要り、相続のときから売るまで空き家だったことを示す書類を求められます。電気・水道・ガスの使用中止の日が分かる書類(閉栓・廃止の証明、最後の請求書など)がその材料になります。解約のときに、証明を出してもらえるか聞いておきます。

寒冷地の水道

冬に水道管が凍って破裂すると、漏水で建物が傷みます。

  • 水道を残すなら、水抜きをしてから家を離れる
  • 止めるなら、元栓を閉めて管の中の水を抜く
  • 水道局に凍結対策を相談する

通水と換気

水道を残すなら、帰省のたびに各蛇口を開けて水を流し、排水トラップに水をためておくと、下水の臭いや虫の侵入を防げます。電気を残すなら、換気扇を回して湿気を逃がします。

確認表

確かめること 済
電気を残すか決めた □
水道を残すか決めた(寒冷地は水抜き) □
ガスを閉栓した □
名義・支払い方法を変えた □
使用中止の記録を保管した □

よくある質問

電気だけ残すことはできますか

できます。契約のアンペアを下げて基本料金を抑える方法もあります。

止めたあと再開できますか

できます。水道・ガスは開栓の手続きと立ち会いが要ることがあります。

放置すると、責任は所有者にかかる

民法717条で、土地の工作物(建物や塀)の設置や保存に欠陥があって他人に損害が出たとき、所有者は損害を賠償する責任を負うと決められています。占有者が注意を尽くしていた場合、所有者は過失が無くても責任を負います。

起きること 先にしておくこと
瓦や外壁が落ちる 年に何度か見に行く。台風のあとは必ず
塀が倒れる ぐらつきを直す。危ないものは先に外す
庭木が越境する 枝を切る。隣に断ってから
雑草・害虫 草刈りを頼む。近所への連絡先を伝えておく
不法投棄・侵入 施錠する。郵便受けをふさぐ

遠くて見に行けないとき

自治体のシルバー人材センター、管理を請け負う会社、近所の人への依頼など、見に行ける人を決めておくことが要ります。誰も見ていない状態が続くと、助言・指導の通知が来ても気づけません。

相続放棄しても、すぐには手を離れない

民法940条で、相続放棄をした人でも放棄のときに現に占有していた財産は、相続人や相続財産清算人に引き渡すまで保存しなければならないと決められています。「放棄したから何もしなくてよい」とは限りません。

相続した家を売るときの3,000万円の特別控除

相続した家を売って利益が出た場合、条件に当てはまれば譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける特例があります(租税特別措置法35条3項。「被相続人の居住用財産を売ったときの特例」)。

主な条件 中身
建てた時期 昭和56年5月31日以前に建築されたこと
建物の種類 マンションなどの区分所有建物でないこと
住んでいた人 相続の開始直前に被相続人が一人で住んでいたこと
売り方 耐震基準に適合させて売るか、取り壊して売ること
期限 相続の開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで
手続き 市区町村の被相続人居住用家屋等確認書をそえて確定申告をすること

当てはまるかは必ず確かめる

条件は細かく、老人ホームに入っていた場合の扱いなど例外もあります。売る前に、税務署か税理士に自分の場合を確かめてください。ここに書いたのは条文の骨組みだけです。

放っておくと固定資産税が上がることがある

住んでいる家が建っている土地には、固定資産税を軽くする住宅用地の特例があります。空き家でも家が建っていれば原則は同じです。ただし、空家等対策の推進に関する特別措置法で勧告を受けると、この特例から外されます。

区分 何を指すか 税の扱い
ふつうの空き家 管理されている 住宅用地の特例が残る
管理不全空家等 そのままにすると特定空家になるおそれがある 勧告を受けると特例から外れる
特定空家等 倒壊のおそれ、衛生上有害、景観を損なうなど 勧告を受けると特例から外れる

順番が決まっている

  1. 市区町村が調べて、助言・指導をする
  2. 直らなければ勧告。ここで住宅用地の特例から外れる
  3. さらに直らなければ命令。従わないと過料
  4. それでも直らなければ行政代執行。かかった費用は所有者に請求される

助言・指導の段階で動けば、税の扱いは変わりません。通知が来たら放置しないでください。

持ち続けるとかかるもの

かかるもの 中身
固定資産税・都市計画税 毎年かかる。勧告を受けると住宅用地の特例から外れる
火災保険 空き家は住宅用の契約が続けられないことがある。保険会社に申し出る
水道・電気 止めるか、見回りのために残すかを決める
管理の費用 草刈り・見回り・雪下ろし
修繕 雨漏り・屋根・外壁。放っておくほど高くなる

火災保険は必ず申し出る

住む人がいなくなると、建物の使い方が変わったものとして扱われます。申し出ないと、いざというときに支払われないことがあります。空き家になった時点で保険会社に連絡してください。

あとでもめやすいところ

もめる元 先にしておくこと
相続人が多い 早めに全員の連絡先をそろえる
誰が管理するか 見に行く人と、費用の出し方を決める
売る値段 複数の不動産会社に査定を頼む
家財の処分 形見分けの希望を先に聞く
境界がはっきりしない 売る前に測量と立ち会いをする

記録を残す

話し合いの結果、かかった費用、直したところ。書いて残しておくと、あとから聞かれたときに答えられます。

空き家のある都道府県から空き家バンクを探す

空き家バンクは空き家がある市区町村が運営しています。ページを公開している842の自治体を、都道府県ごとに並べています。

北海道

都道府県 自治体 うち市 うち町村 主な市
北海道 35 7 28 札幌市・旭川市・函館市

東北

都道府県 自治体 うち市 うち町村 主な市
青森県 29 10 19 青森市・八戸市・弘前市
岩手県 22 11 11 盛岡市・一関市・奥州市
宮城県 16 7 9 仙台市・石巻市・大崎市
秋田県 18 11 7 秋田市・横手市・大仙市
山形県 18 6 12 山形市・鶴岡市・酒田市
福島県 37 12 25 いわき市・郡山市・福島市

関東

都道府県 自治体 うち市 うち町村 主な市
茨城県 32 27 5 水戸市・つくば市・日立市
栃木県 23 13 10 宇都宮市・小山市・足利市
群馬県 17 9 8 高崎市・前橋市・太田市
埼玉県 40 27 13 さいたま市・川口市・川越市
千葉県 36 22 14 千葉市・船橋市・松戸市
東京都 6 5 1 特別区(23区)・八王子市・町田市
神奈川県 20 14 6 横浜市・川崎市・相模原市

中部

都道府県 自治体 うち市 うち町村 主な市
新潟県 22 18 4 新潟市・長岡市・上越市
富山県 14 10 4 富山市・高岡市
石川県 6 5 1 金沢市・白山市・小松市
福井県 16 8 8 福井市・坂井市
山梨県 14 11 3 甲府市・甲斐市
長野県 12 5 7 長野市・松本市・上田市
岐阜県 26 13 13 岐阜市・大垣市・各務原市
静岡県 16 9 7 静岡市・浜松市・富士市
愛知県 11 9 2 名古屋市・豊田市・岡崎市

近畿

都道府県 自治体 うち市 うち町村 主な市
三重県 14 8 6 四日市市・津市・鈴鹿市
滋賀県 16 11 5 大津市・草津市・彦根市
京都府 12 8 4 京都市・宇治市・長岡京市
大阪府 16 14 2 大阪市・堺市・東大阪市
兵庫県 33 23 10 神戸市・姫路市・西宮市
奈良県 18 8 10 奈良市・橿原市・生駒市
和歌山県 14 7 7 和歌山市・田辺市

中国

都道府県 自治体 うち市 うち町村 主な市
鳥取県 10 4 6 鳥取市・米子市
島根県 7 2 5 松江市・出雲市
岡山県 17 8 9 岡山市・倉敷市・津山市
広島県 9 6 3 広島市・福山市・呉市
山口県 11 9 2 下関市・山口市・周南市

四国

都道府県 自治体 うち市 うち町村 主な市
徳島県 11 5 6 徳島市・阿南市
香川県 6 1 5 高松市・丸亀市
愛媛県 14 11 3 松山市・今治市・新居浜市
高知県 12 6 6 高知市・南国市

九州・沖縄

都道府県 自治体 うち市 うち町村 主な市
福岡県 23 14 9 福岡市・北九州市・久留米市
佐賀県 16 10 6 佐賀市・唐津市
長崎県 16 10 6 長崎市・佐世保市
熊本県 15 8 7 熊本市・八代市
大分県 15 12 3 大分市・別府市
宮崎県 17 7 10 宮崎市・都城市
鹿児島県 30 17 13 鹿児島市・霧島市
沖縄県 4 3 1 那覇市・沖縄市・うるま市

言葉の意味

言葉 意味
特定空家等 倒壊のおそれや衛生上の問題があると市区町村が認めた空き家
管理不全空家等 そのままにすると特定空家等になるおそれがある空き家
住宅用地の特例 住宅が建つ土地の固定資産税を軽くする仕組み。勧告を受けると外れる
行政代執行 命令に従わないとき、市区町村が代わりに行い費用を請求する手続き
相続登記 相続した不動産の名義を変える登記。2024年4月1日から申請が義務
相続人申告登記 遺産分割がまとまらないときに、相続人であることを申し出る登記
空き家バンク 自治体が運営する空き家の情報の窓口
建設リサイクル法 一定規模以上の解体で分別と再資源化を求める法律。届出が要る

あわせて読む

次にすること

都道府県から、空き家バンクのある自治体の一覧に進めます。各自治体のページを直接開けるので、登録の条件と支援制度を確かめてください。

物件の数・価格・自治体の評価はこのサイトでは持っていません。条件は必ず自治体のページで確かめてください。

この記事のデータについて

掲載している自治体の数は、空き家バンクのページを公開している自治体を数えたものです。物件の数や価格、自治体の評価は持っていないため、掲載していません。税と手続きの内容は、空家等対策の推進に関する特別措置法、地方税法、不動産登記法、租税特別措置法、民法、大気汚染防止法にもとづいています。実際の取り扱いは自治体で異なることがあるため、窓口でご確認ください。